読み物あれこれ(読み物エッセイです) 検索エンジン MMI−NAVI

読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Sep.2021
S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
著者検索
+ ア行
- カ行
+
-
キャサリン・ブー
キャサリン ラングリッシュ
京極夏彦
木内一裕
菊地秀行
木皿 泉
貴志祐介
北尾トロ
北方謙三
北野勇作
木村汎
桐野夏生
+
+
+
+ サ行
+ タ行
+ ナ行
+ ハ行
+ マ行
+ ヤ行
+ ラ行
+ ワ行
作品検索
+ ア行
+ カ行
+ サ行
+ タ行
+ ナ行
+ ハ行
+ マ行
+ ヤ行
+ ラ行
+ ワ行
トロール・フェル キャサリン ラングリッシュ

数年前のことになりますが、北欧三国へ赴いた事があります。
まだ11月だというのにヘルシンキへ降り立つ手前の海が凍っておりました。
湖じゃあるまいし、海が凍るってそんな事・・・と驚いた記憶があります。
まぁ確かに太平洋のような大海というわけでもないしバルト海からしてみてもヘルシンキあたりからが湾のようになっている、ということもあるのでしょうが、とにかく海が凍っている、その状態そのものに途轍もなく驚いてしまったわけであります。

街中を歩いていても、11月の割りには結構防寒していたんですが、すぐに身体がしんしんと冷え切って来るのがわかり、早々に宿泊ホテルへ帰ったのを覚えています。

さて、この「トロール・フェル」というお話、児童書です。グリム童話を長編にしてみましたみたいな。
活字も大きいですし。
まさか老眼の方向けに活字も大きくしたわけではないでしょう。

舞台はおそらく北欧、スカンジナビアのどこか。時代はコロンブスが新大陸を発見する前。
そのタイトル通り、トロールが登場します。
トロールはいろんな物語に登場しますが、メジャーにしたのはやはり「ハリー・ポッター」でしょうか。
大抵の物語でトロールは粗暴で醜悪で図体が大きくおつむは弱い。

この物語ではトロールよりもはるかにあくどい人間が登場します。
主人公のペールは船大工の父親を失う。そのペールを全く面識の無い叔父が引き取りに来る。
叔父というのが双子の兄弟でこれが揃ってタチが悪い。
代々水車小屋を持ってそこで粉引きをなりわいとしているのですだが、その兄弟に頼むと粉が減って返って来る、と評判が悪く、周囲の村人はだんだんと粉引きも頼まなくなって来ている。
そこに現れた新たな甥は新たな収入源としか二人には見えない。
少年の父の残した金を奪い、家財道具も全部売っぱらって、少年には一切何も渡さないばかりか、重労働を強いて、食事もまともに与えない。
しまいには奴隷にして売っぱらってしまおう、などと考える、とんでもない叔父兄弟なのです。

あの北欧南端であれだけ寒かったことを考えるとトロール山というから山の方なのでしょう。そんなところでこの主人公は良く凍え死なずにこの叔父の仕打ちに耐えて生き残ったものです。

さて、もっぱら醜悪で粗暴なイメージのあるトロールですが、北欧、特にノルウェーの方では妖精の一種として伝承されて来ているようです。

そう言えば、トロールの飲む臭いビールを飲むと途端にトロールの姿が美しく見えるとか。

北欧の人たち、その昔にトロールのビールを飲んでしまったのかもしれませんね。

トロール・フェル(上)金のゴブレットのゆくえ  トロール・フェル(下)地底王国への扉 キャサリン・ラングリッシュ Katherine Langrish 作/金原瑞人、杉田七重 訳


25/Sep.2008
アウト&アウト (OUT-AND-OUT) 木内一裕

なんか悪党パーカーの日本人版みたいな。
とは言えパーカーのように泥棒稼業をするわけじゃない。
なんとはなしに漂ってくる風貌や自信やらの雰囲気だけが似ている。

主人公は超大手ヤクザ組織の元若頭。
今は引退して探偵事務所の看板を前任者から引き継いでいる。

根っから怖そうな人でありながら、なんとも人の百倍ぐらい優しくもあり、気風のある人。
見た目はかなり強面なこの主人公は、両親を亡くして頼る先の無い小学二年生の女の子供を引き取っている。
その女の子がまたなんとも大人顔負けなほどに賢く、しっかり者で、強面探偵さんもその子にかかるとたじたじである。

探偵者の映画やドラマで、人質を取った犯人が「銃を捨てろ」と主人公に怒鳴るシーンが良くある。その時映画やドラマの主人公は必ずと言っていいほど銃を捨てるが、それがこの強面探偵さんにしてみると馬鹿なんじゃないか、と不思議で仕方がないのだという。
「主人公が犯人に銃を向けている」「犯人は人質に銃を向けている」
それで均衡が保たれているものを、なんでわざわざ自らその均衡をくずしてしまうのか、と。
だが、実際にはどうなんだろう。
そんな体験をしたことのある人はそうそう居るまい。
犯人は人質に銃を突きつけているのだとしたら、外れることはまずない。それに比べれば主人公が銃の名人で百発百中だったとしたって、きっちりと構えて狙いすましてのことだろうし、構えもせずにいきなり命中させられるほどの達人などそうそう居ないのではないだろうか。
となれば、均衡とは言え、かなり犯人に有利な均衡状態とも言えるのだから。

それでもやはり銃を捨てるやつは馬鹿だと思えるその発想がこの強面探偵の特性なのだろう。

このストーリーの中で登場する殺し屋側にもそれを追いつめようとする強面探偵の側にも悪人らしき悪人は登場しない。

唯一登場する悪人はかつての大物政治家の二世だったりする。
そこでやっぱりなぁ、などと思ってはいけない。いけない。
二世だって立派な人は大勢いるのだろうから。 た・ぶ・ん。



アウト&アウト 木内一裕 著 (OUT-AND-OUT アウトアンドアウト)講談社


24/Dec.2009
新世界より 貴志祐介

2050年頃にはこうなる、あーなるという話を良く聞く。
2050年はおろか、2030年と言われたってなかなかイメージすら湧いてこない。

そこへ来て1000年後の世界などだという。
1000年後の世界を描いているSF長編。

冒頭、読みだした時は、1000年前の間違いじゃないのか?などと思ってしまった。
呪術だの迷信だの仏教用語のようなものからお化けみたいな話から始まる。

しかし、未来だった。
呪術とはすなわち現代でいうところサイコシネシスなどの超能力。

1000年後の世界は今でいう超能力者達が支配する世界だった。

その世界では人が人を殺めるなどということは有り得ない。
過去にも未来にも・・子供達は、そう思っている。いや、ほとんどの大人もか。

過去の歴史は封印され、歴史の授業で習うこともない。

歴史年表など戦争の年表のようなものなのだが、人が人を殺めたような歴史などは知ってはならない世界なのだ。

そういう社会は好奇心旺盛な子供達にとってはとんでもない管理社会。

自分達の周囲にかつて居た子供がいつの間にか居なくなっている。
何故だか名前が思い出せない。
そう、大人達は子供達の記憶を改ざんしてまでして、不穏分子が育たないようにしている。
基本的人権は17歳までは存在しない世界だ。


現代からその1000年後に至るまでの間には、まず超能力者が生まれ、そして増える。となると、今度は疎んじられ、中世の魔女狩りのようなことも行われ、やがては超能力者対一般人の戦争に。
そして最終的には力をつけた超能力者達が勝ってしまう。

1000年の間にあまたの戦争があり、超能力者達の無謀もあり、平和な社会のために、人を殺めるために超能力は使えないように植えつけが行われる。

人に危害を加えるような行為をしようとしただけで、その人は命を落とすことになる。
だからこの時代には殺人というものは存在しない。

だが、もしその成長過程で何らかの要因にて人を殺めてもなんともないような人が出来てしまった場合、その世界ではもはや対処のしようが無くなる。

それは悪鬼と呼ばれるが、悪鬼も人なので誰も彼を攻撃出来ないのだ。
攻撃しようとした途端に自分に抑制がかかってしまうのだから。

だから、一旦そういう人間が出来てしまえば、ひたすら、人々は惨殺され続けるしかなくなる。

そういう理由で、成長過程にある子供達は、がんじがらめの管理を施し、その社会に適合出来ない子供と判断されれば、教育委員会が処分の決定を下し、同級生の記憶からも抹消される。

もう何年か先には無くなるのではないか、とまで言われている「教育委員会」が1000年後に登場するのには少々苦笑してしまった。


主人公がまだ小学生の頃から、中学に相当する全人学級へ、そこから始まる冒険譚。
その冒険譚の続きは、主人公が成人した後にものすごい展開へと拡がっていくわけだが、この本、未来SF小説としての面白さ、冒険ものとしての面白さ、登場する幾多の耳慣れない名前の動物たちについての綿密な生態説明、それらが作者の綿密な設計によりなりたっている。

上・中・下巻の結構なボリュームの読み物だが退屈するどころか、後半へ話が進めば進むほどおもしろくなって手放せなくなる一冊。いや三冊か。



新世界より 貴志祐介 著


12/Mar.2013
ダークゾーン 貴志祐介

勝負師の中でも最も過酷と言われる日本将棋連盟の奨励会の三段リーグ。
四段のプロ棋士への道は狭き門で年を経る毎に状況は悪くなって行く。
そんな狭き門を目指す三段棋士が主人公。

その三段棋士がいつの間にかワープしてしまった先が、ダークゾーンと呼ばれる仮想空間のような世界。
人間がゲームの駒のようになっての戦いが繰り広げられる。

主人公は自らがキングという駒となって、味方に指示を出す立場なのだが、状況がなかなか飲み込めない。
とにかく戦うことに決まっているらしく、その戦いで四回負ければ、つまりキングが四回死ねば、本当に死ぬ。・・らしい。

確かではないが、四敗すればそのチーム全員が死ぬのではないか、とルール説明者は言う。

この四勝したもの勝ちという日本シリーズみたいな戦いに命がかかっているかもしれない以上、戦わざるを得なくなる。

相手のキングは同じ奨励会の三段リーグのライバルである。


18人の赤の軍勢と同じく18人の青の軍勢。
それぞれに将棋やチェスのような駒固有の能力があり、赤も青も個人差は互角。

つまりは人間チェスであり、人間将棋みたいなもの。
取られた駒が敵陣の駒になるところは将棋に近いのかも。

将棋にしろ、チェスにしろ、相手に取られたら以上、その駒は取られる以外にないのだが、ここの駒は少し違う。
刺されても刺し違えて相手も戦死させることが出来たりする。

将棋やチェスの人間版のようにも思えるが、別に一手一手を交互に指すわけではないので、寧ろこれは均等な力量の兵士を与えられての戦争なのではないだろうか。

なんせ、命がかかっているんだから。

この空間が軍艦島という実在の島であることもわかって来るとますます実戦っぽく感じられたりもする。

とはいえ睡眠を考慮する必要がない。
食糧補給を考慮する必要がない。
傷病兵を匿う必要がない。

眠ることも食べることも飲むことも必要なく何時間でも戦える。
戦いでは戦死より負傷の方が多いはずだが、軽傷から重傷というのを通り越して戦死しかかない。

そういう意味では戦争でもなんでもなく、やはりここ独自のゲーム世界なのだろう。


第一戦、第二戦、と進んで行くうちに主人公もだんだんとこれまでわからなかったルールがわかって来る。

時間の経過と共に、駒のポイントが上がる、敵を倒す毎にもポイントが上がる・・そして一定のポイントを超えると歩がと金になったり、飛車が龍になるがごとくに持っている力が格段に強くなる。


物語はこの仮想社会みたいなところでのゲームと現実界での話が交互に出て来る。

現実界では最初は大学生だったはずが、社会人に成長していたりとどのタイミングでワープした仮想社会なのか、だんだんとわからなくなって行く。


ストーリーとしてはなんだかなぁ、というフシが無きにしもあらずなのだが、こういう読み物は読みだしたら、最後まで絶対にやめられない読み物だろう。


ダークゾーン 貴志祐介 著 祥伝社


07/Jul.2011
キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか 北尾トロ

こんなタイトルがついてんねんからおもろないわけないがな、って普通誰でも思てまうがな。
「幸せは歩いてこない だから歩いてゆくんだね」
「人生はワン・ツー・パンチ 汗かきべそかき歩こうよ」
365歩のマーチの引用と、汗かいてでもべそかいてでもええから小さな勇気を出してみようや、ちゅうイントロも悪くないがな。
そやそや。やらんと後悔して死んでまうぐらいやったらなんでも勇気出してやったらええがな。

そやけどな。そやけどやで。
・「電車で知らないオヤジに話しかける」
ええねんけどな。それそのものはそないに勇気もクソも無いやろ。
・「話しかけた後、一緒に飲みに行く」
これはあかんやろ。こんなもんポン引きに勘違いされるのんがオチやで。
まぁ、勇気のあるフリーライターには怖いもんも無いちゅう事か。
ところがどやねん。この人。
ほんまにフリーライターかいな。
人と話して取材してそれを記事にするのんを仕事にしてんのとちゃんかいな。
そのフリーライターにしては、なんちゅうアプローチの下手さやねん。
雑誌の企画やから何がなんでもちゅう気負いでもあんのんか。
それとも読み物としておもろいように過剰に表現してんのか。
まぁその両方があるとして、少々大袈裟に書いたとしてもほぼ実際に実行した事を書いてるんやろうな。
なんでもっと普通にいけへんねやろうな。
じーっとターゲットを観察してから、わざわざ他所が空いてんのに隣りに座っていきなり天気の話かいな。そら誰でも逃げ出すわな。

・「GWのお台場で孤独に見える青年に話しかける」
それもええんやけど、それがほんまにやらんと死んでから後悔する事なんかいな。
これも「電車の中でオヤジと」と全くおんなじや。
じーっと長い事観察して、待ち合わせやない事を確認してから近づいて行く。
ほんま、なんでこんな不審なんやろ。
誰が考えたってなんかの変な宗教の勧誘やんかいな。
しまいに一緒に観覧車に乗ろってな、一緒に来るやつ居るわけないがな。

・「公園で遊んでいる子供に話しかける」
これはさらにひどいで。
公園でじっくり子供を観察して、子供が遊んでいる所まで行って話しかけるってな、もうむちゃくちゃ危ないヤツやんかいな。
もうそれだけでも警察に通報されてもおかしないで。
それやのにこの人、子供が逃げ出すのんを「信じられん」とか「過剰反応」だとか言うとる。
なんかずれまくってんのんとちゃうんかいな。
フリーライターやったらいろんな記事も目にするやろうに。
その「過剰反応」をせーへんかった子供がどんだけ誘拐されたり殺されたりしてんねんな。
子供には寄って行ったらあかんがな。寄って来てもらわな。

・「激マズ蕎麦屋においしくない事を指摘する」
ってな。これのどこに勇気が居るんかさっぱりわからんわ。
「まずいでー」「しょっ辛いでー」って言うてあげるんは当たり前とちゃうんかいな。
そこに勇気ちゅうもんが介在せなあかん事の方が信じられんわ。
最近、近所に出来たラーメン屋がある。
そのラーメン屋からかん水のええ臭いして来たから、ふらふらーっと入って注文したら、出て来たラーメン麺がちゃんと湯だって無い。
ダシも今一や。
「せかっくええ臭い出してんのに、外のええ臭い負けしとんがな。麺もちゃんと湯だってないし。晩やから言うて手ぇ抜いてたら半年持たんと潰れてまうでー」
ってちゃんと言うてあげるのんが親切っちゅうもんや。

まぁ口に出して言わん時もあるけどな。
はるか昔の学生の頃のこっちゃ。
東京行って入った喫茶店でカレー頼んだ事がある。
見るからにまずそうなカレーやった。
テーブルの上にソースを探したけど見当たらんから、
「ちょっとソースもらえますか」って持って来たオバちゃんに言うたとたん、
「ウチはソースをかけなきゃ食べられない様なまずいカレーは出しておりません!!」
と来たがな。
なんちゅう居丈高な。
なんちゅう気ぐらいの高さや。
そらカレー専門店で言われんやったらまだしも。たかだか喫茶店カレーやろうが。
どないしたら喫茶店カレーぐらいでそないに高いプライド持てんねん。
一応ソース無しでトライしてみたけど案の定まずい。
結局、隣りの隣りのテーブルにあったソースをかけてみたけど、そんなもんではどうしようもないレベルやったから。
結局諦めた。
なんぼ喫茶店カレーでもこれは無いやろ。これやったらレトルト温めて出した方が千倍マシやで。
大阪やったらこの店焼き討ちに遭うてもおかしない。
おばちゃん、関西人はカレーにソースかけるもんと思てんのかもしれんけど、本場のインド料理の店でいろんなルーを仕込んでるもんにまでソースはかけんわいな。
ほんでもさすがに口に出して言うのはちょっと喧嘩売ってるみたいになってまうから、紙ナプキンかなんかに
「ソースかけても食べられないぐらいのまずさでした!」
ってしっかり書いてカレーの皿の下に置いて、勘定して店でたがな。

はたまた某高速道路のインターンチェンジで牛丼を頼んだ時のこっちゃ。
牛丼を頼んだんは俺だけとちゃうで。
俺のテーブルの友人も全員、隣りのテーブルでも他所の人が頼んどったわ。
順番に牛丼が運ばれて来て、順にふたを開けて食べ始める。
俺のところへ来た牛丼のふたを開けて、目ん玉飛びでそうになったで。
な、な、なんと巨大なゴキブリが・・・しかもしっかりと煮詰まった飴色のゴキブリがこのワシが目に入らぬか、とばかりにドデンと居るがな。
なんなんや、これ。
普通、肉盛りする時に気ぃ付くやろ。
当然の事ながら、交換してもらお、と思たんやが、廻りのみんなはもう食いはじめてる。
ようよう考えて見たら、たまたま俺の丼の中にゴキちゃんは居っただけで、鍋の中で煮詰められてる時には廻りのみんなの丼にも隣りの他所の人の丼にもゴキちゃんのエキスはしっかりと出てるはずや。
そない思たら、このゴキちゃんをふたへ移したら、みなと条件は同じや。
「この丼、ゴキブリおるでー」なんて大声で言うたら他所の客も皆、気分が悪うなるやろうし。
こういう所で働いてるのんは大概アルバイトの人や。そんなん言うてアルバイト困らせてもしゃーない。
という事でゴキちゃんにはふたへ移動してもらって、残さずきれいに食べたった。
一応、その店の今後の事も考えて、
「ゴキブリのええダシでとったわ」
ってメモをふたの下に入れておいて店員が片付ける時にゴキちゃんとメモはしっかり目に入る様にして、勘定して出た。
まぁ直接口に出して言わん事もたまにはあるかな。

・「友人に貸した小銭」の話はちょっとせこ過ぎて読んでられん。

いずれにしたって、このライターさん後悔せんようにやってるはずやのに。
もう二度とせんとこ、ちゅう感じで終ってるで。
「それでも私の中で何かが変わった」ってちょっとは世間が見えて来たんかいな。
ここで言うてはる小さな勇気って世にも有名な大阪のオバはんにしてみたら勇気でもなんでものうて、それこそ日常なんとちゃうやろか。

ちゅう事でこのへんで終わりにしよか、と思いつつもこのままやったらこの作者の事いっこも誉めてないがな。そら、まずいやろ。

・「鼻毛が出てますよと言えるか」
でいこか。
これはちょっと微妙やな。
どのぐらいで鼻毛ちゅうものは出てる事になるんか。
何本ぐらいやったら出てる事になるんか。
社会の窓が開いてる相手への伝え方はそれなりに心得てるつもりやけど、こっちの鼻毛の方は、その基準がようわからん。
しかも相手は初対面やろ。
無理やな。俺は言わんやろうな。
言われたらどうか。お互いの立場も関係して来るかもしれんけど、
たぶん「それがどないしてん」って返してまうんちゃうか。

立派や。ライターさん、よう言うた。良かった。ようやくこれで誉めて終れる。

最後に一言。
大阪のオバちゃんやったら、前後関係全く関係無しで言うてまうんやろうな。

「兄ちゃん、鼻から花咲いてんで」って。

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか  北尾トロ著


14/Mar.2007
    123 >>