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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Dec.2018
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ハッピー・リタイヤメント  浅田次郎
廃墟建築士 三崎亜記
ハイブリッドカーは本当にエコなのか?   両角岳彦
半島を出よ 村上龍
博士の愛した数式 小川洋子
白鳥異伝 荻原規子
はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか 篠田節子
ハケンアニメ! 辻村深月
驟(はし)り雨  藤沢周平
果てしなき追跡 逢坂 剛
花の鎖/境遇 湊かなえ
ハリー・ポッターと死の秘宝 J.K.ローリング
ハリー・ポッターと謎のプリンス J.K.ローリング
春告げ坂 安住洋子
ハッピーバースデー命かがやく瞬間 青木和雄
ハードル 真実と勇気の間で 青木和雄
阪急電車 有川浩
犯罪小説家 雫井脩介
犯人に告ぐ  雫井脩介
バージェス家の出来事 エリザベス ストラウト
バーティミアス プトレマイオスの門 ジョナサン・ストラウド
売国 真山 仁
バイバイ、ブラックバード 伊坂幸太郎
幕末史 半藤一利
ばくりや 乾ルカ
化物語 西尾 維新
バターサンドの夜  河合二湖
薔薇盗人 浅田次郎
晩夏のプレイボール あさのあつこ
盤上のアルファ 塩田武士
ばんば憑き 宮部みゆき
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氷点 三浦綾子
ヒア・カムズ・ザ・サン 有川浩
東のエデン 神山健治
悲惨伝 西尾 維新
密やかな結晶 小川洋子
ひそやかな花園 角田光代
7月24日通り 吉田 修一
悲痛伝 西尾 維新
羊と鋼の森 宮下奈都
光秀曜変 岩井三四二
人質の朗読会 小川洋子
ひとり日和 青山七恵
火花 又吉直樹
悲報伝 西尾 維新
肥満と飢餓 ラジ・パテル
日御子 帚木蓬生(ははきぎほうせい)
秘密 東野圭吾
悲鳴伝 西尾 維新
姫椿 浅田次郎
ひりつく夜の音 小野寺史宜
昼が夜に負うもの ヤスミナ・カドラ
貧者を喰らう国  中国格差社会からの警告 阿古智子
美少年探偵団 西尾 維新
ビタミンF 重松清
ビヨンド・エジソン 最相葉月
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フィッシュストーリー 伊坂幸太郎
フェイク 楡周平
顔 FACE 横山秀夫
フォルトゥナの瞳 百田 尚樹
風神秘抄 荻原規子
ふがいない僕は空を見た 窪 美澄
筆に限りなし − 城山三郎伝 加藤仁
不撓不屈(ふとうふくつ) 高杉良
舟を編む 三浦しをん
不発弾 相場英雄
フランスジュネスの反乱  山本三春
フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由 横田増生
フリーター、家を買う。  有川浩
震える牛 相場英雄
憤死 綿矢りさ
仏果を得ず 三浦しをん
武名埋り候とも 西岡まさ子
ブラックオアホワイト 浅田次郎
ブラック・スワン降臨 手嶋 龍一
ブラックボックス 篠田節子
ブルー・ゴールド 真保裕一
ブルー・セーター ジャクリーン・ノヴォグラッツ
ブルータワー 石田衣良
ブレイブ・ストーリー 宮部みゆき
文学少女と死にたがりの道化 野村美月
文学少女と飢え渇く幽霊 野村美月
文学少女と神に臨む作家 野村美月
プーチン 内政的考察 木村汎
プリンセス・トヨトミ 万城目学
ぷろぼの 楡周平
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兵士たちの肉体 パオロ・ジョルダーノ
変な国・日本の禁煙原理主義 山崎正和/養老孟司
ペテロの葬列 宮部みゆき
ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦
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ホームレス中学生 田村裕
放射線のひみつ 中川恵一
北天蒼星 伊東潤
星月夜 伊集院 静
星やどりの声 朝井リョウ
蛍坂 吉村 達也
本屋さんのダイアナ 柚木 麻子
ボックス! 百田 尚樹
ぼくらのひみつ  藤谷 治
ポトスライムの舟 津村記久子
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花の鎖/境遇 湊かなえ

二冊の別々の本なのですが、ひとまとめに書いてみました。

「花の鎖」
三人の女性が主役になって交互に登場するのだが、繋がりがさっぱりわからない。

なんだか、全体のストーリーが全くわけがわからなくなって行くのだが、たぶん繋がるんだろうな、という予感は当然ながらある。

それでも全然繋がっていかないので、途中で投げ出そうかと思ったほどだ。

それがなんとまぁ親子三代に渡って繋がって行くとは。

あとになって考えてみれば、ふしぶしにそんな布石が打ってあったようにも思えるが、まさかだったなぁ。

こういう作りもあるんだなぁ、と感心した。

浅田次郎なら親子三代のそれぞれの若かりし頃を描けば、必ずやその時代ならではの空気を出して来るだろうから、こんな「まさか」にはならないんだろうな。




「境遇」
赤ん坊の頃、同じような境遇の女性が二人登場する。
二人共、赤ん坊の頃に施設に預けられる。
方やは養女として迎え入れられ、何不自由なく成長し、その後代議士の息子と結婚。
親の代議士が亡くなって代議士夫人となる。

方やそのまま施設で育ち、社会へ出、新聞記者となる。

成長してから知り合った二人なのだが、無二の親友同士となる。

二人の願いは本当の親はどこでどうしているのか。
本当の親を知りたい、ということで一致。

代議士夫人の書いた絵本がベストセラーになるところから物語は始まる。

その絵本の思い出は新聞記者をしている友人から聞いたもの。

そのエピソードを読んだ本当の親が現われるのでは?という淡い期待が読者を終盤まで引っ張るのだ。

そう子供を施設に預ける親には親の理由があった。

最後はちょっと話が出来過ぎているわなぁ、と思わなくもない。

なんでも、もうドラマ化されたのだとか。

確かにドラマにするにぴったりの物語かもしれない。

それにしてもまぁ、湊かなえさん、「告白」で衝撃デビューして以来絶好調だなぁ。

昨年の2011年だけでも「花の鎖」に続いてこの「境遇」。

そして出版してすぐにドラマ化か。

ホント。乗りに乗ってますねぇ。



花の鎖 湊 かなえ著 文藝春秋 / 境遇 湊 かなえ 著 双葉社


04/Jul.2012
ハリー・ポッターと死の秘宝 J.K.ローリング

しかしまぁ、どれだけ待たされたんでしょうね。
もう前作なんてほとんど忘れかけてる。
前作である「謎のプリンス」はそれまでの話とは違い、唯一ストーリーとして完結していなかった。
この「死の秘宝」は「謎のプリンス」と合わせて完結なのだ。
もちろんハリー・ポッターシリーズの完結であることは言うまでもないですが。

それにしてもこれだけ待たされてもその人気たるや、衰えることをしらない。
発売前から長蛇の行列。
それだけ期待されての完結編だけに上下巻のボリュームたっぷりでなければ誰しも納得しないだろう。

とはいえ、上巻などは途中から、どうにも退屈で読みながらうたたねを繰り返してしまった。
ハリーは目的はわかっていながらも、それを達成するための手段を失い、迷い、苦しむあたりがどうにも長すぎるのだ。
このあたり、ボリュームを膨らせることの方を重視したんじゃないのか、とそのあたりを読んでいる時にはついつい感じてしまうが、下巻にはいると途端にめまぐるしい展開。
おそらく「賢者の石」以来で一番面白いだろう。
上巻のうろうろ状態はその展開のための布石としてはやはり必要だったのだろう。

それにしても、このシリーズ、途中から上下巻二冊がワンセットになってしまった。
それに完結編を出版するまでほぼ10年がかりというのは当初から作者の想定どおりだっただろうか。
最終回の項は賢者の石の頃に書き上げて、金庫にしまってある、とかいう談話があったような気がするが・・・。
「賢者の石」があれだけ大ヒットして、ハリー・ポッターの大ブームがおきなければ、一巻一巻の出版にこれだけ期間がかかったりも途中から上下巻になることもなく、もっとコンパクトに集約されたシリーズになっていたのではないか、などと考えてしまうが、そんな商業主義にのったのでは、などという勘ぐりは余分なことなのだろう。

なんせ発売前に徹夜で行列して待っている人もいるぐらいなのだから、それだけの魅力が満載ということで理解して充分だろう。

発売して間がないので、中身にふれるのはご法度だろうから、中身についての感想は書けない。

ただ、映画化されたものをいくつか見てしまったことで、本来であれば本を読むことでふくらませられるはずの個人個人のイメージというものが映画の登場人物にかなりに影響されてしまう、という感は否めない。

スネイプなどは特に極端に影響を受けてしまった。
賢者の石を読んだころにおそらくイメージしたであろう姿はもう忘れてしまって、映画で出て来たあの登場人物のイメージが被ってしまう。もちろんスネイプ以外の個人個人も多かれ少なかれそうなのだが・・。

上下巻3800円+税。
1100頁をこえるボリューム。
それだけボリュームがなければ、待ったかいがない、というだけでなく、ボリュームに恥じない、充分に楽しませられる本だと思います。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻) J. K. ローリング(著), 松岡佑子(翻訳)


31/Jul.2008
ハリー・ポッターと謎のプリンス J.K.ローリング

いやはや、なんともはや、もの凄い人気なのである。発売前から予約が殺到。
発売日には行列が出来ているというのだから、恐れ入る。

小生も速入手したが、同僚には一足先を越されてしまった。
「どうだった?」
「いや、前作の方が・・」
「そ、それ以上、言うな。今から読むんだから」
「じゃぁ、最初から聞くなよ」
などと言うやり取りの後、上下巻2冊なので、二晩で読み切った。(一晩に一冊)ほんと、アッと言う間に読んでしまうので、何かもったいなく感じてしまう。

内容にふれる事はご法度だろうから、あまり突っ込んだ話は書けないが、どうも映画で成長し過ぎたハリーやロンを意識しているのでは無いだろうか、という記述が散見された。
一夏で30cmも背が高くなったハリーは・・・などど。
映画で成長し過ぎてしまったのは本で言えば前々作となるのだったか・・、何を今更、という気がしないでも無いが・・・。

「いや、前作の方が・・」という先入観を振り払って読んだのだが、やはりこれまで同様、ぐいぐいと引っ張られて行く。前作の方が・・・などとはトンでも無い。
どんどん面白くなって、ヴォルテモートの過去に迫って行くあたり、これまでで一番面白いでは無いか、とすら思える。

まぁ、褒める人ばかりであろうから、敢えて苦言を呈しておくとすれば、これまでの一巻、一巻は(途中から上下巻だが・・)もちろん全体の長いストーリーの中での起承転結の一役を果たしている事は確かであるが、それぞれで、一旦完結していた。
賢者の石なら賢者の石の中で炎のゴブレットなら炎のゴブレットの中で起承転結が有ったと思う。
ところがどうだ。今回の「謎のプリンス」は全体で言えばさしずめ「転」あたりだろうか。散々引っ張っておきながら、今回は「謎のプリンス」内での転結が無い。
もうすぐさま、次を買って読みたくなる欲求不満の気持ちのまま、次のまたいつになるかわからない出版を待てと言うのだろうか。

だいたい、待たされすぎるのである。一巻分がポッターの1学年分で終わりはいつも夏休み。次の一巻は必ずダーズリー家での不愉快な夏休みからスタートするので、話としてはほぼ連続している。だから主要な登場人物以外の前作や前々作や前々々作で登場した人物が登場してくるのは当たり前なのだが、これだけ待たされてしまうと、そんな人物いたっけ・・って全然思い出せない。とは言うものの、読んでいる最中に前作を繰って探そうという気にもなれない。

結末を金庫に入れておくぐらいなら、筋書きはほとんど出来ているんだろう。
出し惜しみせずにじゃんじゃん執筆、出版してくれないものか。

もうここまで来れば、興行としての意味もあるのか、原作出版→翻訳モノ出版→映画化・・一巡してからまた原作出版→・・・と続いて行く約束事でもあるのだろうか。

一旦苦言を呈してしまった以上、非難轟々を覚悟の上でもう一つ苦言を書いてみようか。「謎のプリンス」では、本来のストーリーとあまり関係の無い、誰と誰がくっついて、いちゃいちゃして、誰がに嫉妬して・・という様な記述にあまりにページを割いてしまっているのではないだろうか。そりゃ、映画化するにあたっては、誰と誰が・・・と言うネタも絡ませた方が話題性が出るのかもしれないが、本の中では寧ろ、無理矢理、上下巻に引き伸ばす為に、どうでもいい枝葉を突っ込んでいる様にも思えなくも無い。

最後にもう一言。ダンブルドアはハリーにスラグホーンの隠された記憶を何がなんでも探る様に指示したが、秘薬であるフェリックス・フェリシスを使ってまでして取得すべき情報だっただろうか。
ダンブルドアにはもうわかっていた事だと思うのだが・・・。
それを探らせる事でハリーにわからせようとした、という事だろうか・・・。
おっと、内容を迂回して書いていたつもりが、思わず内容に踏み込んでしまうところだった。

という事でこのあたりで失礼します。

29/May.2006
春告げ坂 安住洋子

江戸の小石川養生所で働く若い医師とその周辺の人達を描いている本。

小石川の養生所というと山本周五郎の赤ひげ先生を思い浮かべてしまう。
てっきり、どこかのタイミングで赤ひげ先生が出てくるものだとばかり勝手に思いこんでしまっていた。

蘭学が出来れば・・・蘭方医であれば・・治せたかもしれない病の人が一人、一人と亡くなって行く。

小石川の養生所は官が仕切っているところなので、医師は死者を出せば査定に響く。

だから要領のいい医師は「治らない」と見切れば、強制退去をさせて行く。

そんな中で最後まで看取ってやろうという若い医師。
そんなの人情話を一編、一編重ねて行くのだろうと思っていたが、どうやら違った。

それだけでは無かった。

この話、武士の物語だった。

彼の父、上役の詰め腹を切らされたと聞かされていたが、父の生き様はそんなものでは無かった。
そこは物語のクライマックスなのであまり触れない方が良いのでしょう。


それにしても方や腹を切る父、方や切った腹を縫合する医師という職業の息子。
そんなことを因縁めいて書いている訳ではないが、なんとはなく因縁を感じてしまった。


小石川の養生所は幕府が設置した医療施設で実在したものだ。

こういう無料で一般市民向けの養生所のような施設は日本には奈良時代から存在している。

医療のグローバル化など言われて久しい昨今。

タイのバンコックあたりでも世界の先端治療が受けられるのだとか。

とはいえ、それはあくまでも高い渡航費用を支払うことの出来る外国人に与えられるものであって、バンコックの市民に与えられたものではない。

21世紀の現代にあっても、ほんのちょっとの医療がない、もしくは不衛生が原因でまだまだ若い人たちがいとも容易く亡くなって行く国が世界にはいくらでもある。


この養生所の看護中間たちがばくちにうつつをぬかすのはご愛嬌のうちだろう。

あらためて日本の先人たちのすばらしさを思わずにはいられない。


安住洋子『春告げ坂―小石川診療記―』|新潮社


27/Feb.2012
ハッピーバースデー命かがやく瞬間 青木和雄

これは児童文学です。

児童文学ですが、大人に読ませたくなる様な本です。

まだ十一歳の娘に「生まなければ良かった」
などと平気で言ってしまう親というのはどういう親なのでしょう。

幼い娘(あすか)はその言葉を聞いて声をなくしてしまう。

結局、あすかはじいちゃん、ばあちゃんの家へ静養しに行く。
自然の豊かな環境の中で優しい祖父母の言葉に助けられ、あすかはだんだんと心を取り戻して行きます。

じいちゃんはあすかに言います。
「おこるときは思いっきりおこれ。悲しいときは思いっきり泣け。がまんなんかするな」

数ヶ月後、あすかは声を取り戻し、これまでよりはるかに心の強い子供になって都会へ帰り、イジメの子供を救済し、イジメをしていた子供も救済し、養護学校で友達の誰も居ない表情の無い子供に笑顔をもたらし、その養護学校の先生までも励まし、最後までなかなか変わろうとしなかった父と母さえ最期には変えてしまう。

そう。あり得ない話なのです。
あすかの様な存在が居ればどんなにいいだろう、という夢物語です。

あすかは祖父の存在に助けられましたが、大抵の子供は親に傷つけられたらそのまま傷ついたままなのでしょう。
作者はこんな状況に子供達を親達が追いやっているのですよ、と訴えたいのでしょう。

給食費を払わない親が増えているのだそうです。給食費を払わないが文句だけは一人前どころか十人分の文句を学校へ言って来るのだそうです。

再教育が必要なのは親の方なのかもしれません。

ハッピーバースデー―命かがやく瞬間 青木和雄 作


18/Nov.2007
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