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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Nov.2017
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怒り 吉田 修一

房総半島の猟師町、魚市場に勤める父には20歳をとうに過ぎた娘が居るのだが、ちょっと飛んでる娘で、父は娘にまともな幸せなど訪れないんではないか、と諦め気味。

そこへふらっと現れた身元のわからない男。彼をアルバイトとして雇うのだが、娘はその男と徐々に親しくなり、とうとう一緒に暮らそう、という運びとなる。

方や、沖縄の波留間島という離島へ引っ越した母と高校生の娘。
その娘が友人とボートで行った無人島で一人のバックパッカーと出会う。
彼は自分を見た事を誰にも言わないで欲しいと娘に頼み、彼女は忠実に約束を守る。

はたまた、東京の大手通信会社に勤める男。
彼はゲイだ。
ゲイたちが利用することが多いサウナで出会った一人の青年。
彼が行くところが無い様子なので、自宅へ招き、同棲の様な生活を始める。


全く無関係な三組の登場人物たちが交互に登場する。
こういう時ってどっかで交わって行くんだよな。
大抵、交わってからの方が話が面白くなって行く。

だがこの話、三組の登場人物たちは最後まで交わらない。

三組に共通するのは、いずれも過去の素性が知れない男が表れ、それぞれの登場人物たちとだんだん親しくなって行くところ。

一年前に東京八王子で夫婦惨殺事件が起きて、容疑者はすぐに特定されるが、行方は杳として掴めず、捜査は難航していた。

警察はテレビを使い、容疑者の情報を集めようとする。

房総のアルバイト男、ゲイの同棲男、沖縄の離島のバックパッカー男。
それぞれ、過去の経歴も何も一切わからない男たち。

それぞれの周辺が、テレビの報道などを見て、ひょっとしてあの人が?

と疑心暗鬼になって行く展開なのだが、少々長すぎやしないか。

確かに3つの物語を同時並行しているようなものなので、少々長くはなるだろうが、
上下巻で引っ張らなくても良かったんじゃないの?

これが映画化されたと聞いた時は少し驚いた。
映画にするにはちょっと地味な話じゃないか、と思ったのだが、かなり評判良かったらしい。
邦画って地味な方がいい作品になるのかもね。



怒り 吉田修一著
07/Mar.2017