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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Nov.2017
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昨夜のカレー、明日のパン 木皿 泉

義理の父親の事をギフ、ギフとペットのように呼ぶヨメ。
ヨメと言いながらもその夫は7年も前に他界している。
25才という若さで。
ということはこのヨメも相当若かったに違いない。
姑であるはずの夫の母親は夫が高校生の時に他界している。

ということは、この若いヨメは実家に帰ることを選ばず、ギフと暮す方を選んだわけだ。

職場へ行けば、結婚しよう、結婚しようと言い寄って来る男があり、別に嫌いではないのだが、彼女にその気持ちはこれっぽっちも無い。

亡くなった夫を中心円にして、その生きた時代に周囲に居た人々。
そんな人たちが順番に主人公となり、日常の小さな話を語っていく。

時には、亡き夫の幼なじみだったり、亡き夫の従兄弟だったり、亡くなったギフの妻の若い頃だったり。
彼女は特殊な能力を持っているのだった。
知っている人が亡くなる予兆が現れる。涙が止まらなくなると決って誰かが死ぬ。
百田尚樹の「フォルトゥナの瞳」を思い出したが、あれは寿命の短くなった人がどんどん透明に近づくので、誰が死ぬかはわかっているのだが、彼女の場合は、その誰がまったくわからない。
でも、それがきっかけでギフと結婚することになったようなものなのだ。

秋になればイチョウで黄金色いろになるこの亡き夫家の庭。その庭で取れた銀杏を食することの出来る家。

なんだかんだとそして皆、この家がいごごちがいいのだ。

本屋大賞の2位になったというこの本。
時代は行ったり来たりするが、平凡な日常の中でのちょっといい話が集約されている。



昨夜のカレー、明日のパン  木皿 泉 著


09/Oct.2015
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