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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Apr.2018
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「(-1)の二乗=i」である。このiはこの世界には存在しない。

「この世にアイは存在しない」

数学教師の放ったその一言が主人公のアイに与えたインパクト。

おそらくこの言葉がきっかけで数学の道を歩むことになる。

アイは生まれはシリア。
シリア人でありながらアメリカに養子にもらわれる。父ははアメリカ人、母は日本人。
幼少期をアメリカで過ごし、学生時代は日本で暮らす。


この本、世界の時事ネタがしょっちゅう顔を出す。

どこどこでの大地震。どこどこでのテロにて・・・世界は惨劇で満ち溢れている。

その災害や惨劇での死者の数をアイは漏れなくノートに書き記す。

もともとシリアで生まれた子供だ。

今のシリアの状況を見て、シリアで戦禍に苦しむ子供の映像を見て、自分とこの子は何が違ったんだろう。
死んでいく彼らを見て、何故私じゃなかったんだろう。
と悩む。

何故自分だけ、という強い思いは、あのシリアからだからこそなのか。
アイだからこそなのか。

それは後者なのだろうと思う。

彼女は繊細すぎる。

人は何故存在するのか。自分の存在意義を見つけて行く話。

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この世界にアイは存在しません。
入学式の翌日、数学教師は言った。
ひとりだけ、え、と声を出した。
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この冒頭の書き出しだけで、もはやこの本は成功してしまっている。

 i 西 加奈子 著
13/Mar.2018