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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
May.2017
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さよなら、愛しい人 レイモンド・チャンドラー

刑務所から出所したばかりの大男に引っ張られるように黒人専用の店へ連れて来られた私立探偵のフィリップ・マーロウ。
その店で大男はその店のオーナーを殺害し、ゆうゆうと出て行ってしまう。

警察の依頼も有り、マーロウは一旦この大男の行方を追う捜査をするが、その時に別の依頼が舞い込む。

強奪された宝石を強奪犯から買い戻す交渉をしたので、同行して欲しいというのが依頼。マーロウは男に成り変わって運転席に座り、同行することにするが、取引の場所で席を離れた一瞬に依頼者の男は殺され、マーロウ自身も殴られ失神する。

まったく無関係に思える双方の事件を追いかけて追いかけて、最後の最後に全て一本の線でつながる。

そもそも私立探偵とは依頼主からの依頼に基づいて調査やら内偵をすることで生計を立てている職業だろう。

ところがこのマーロウという男、依頼主があるわけでもないのに、次から次へと命がけで調査に乗り出すのだ。

さすがにそこへ単身で乗り込んでは、殺されても仕方がないだろう、みたいなところへ、何度も出向いては何度も後頭部を殴られるだけで撃たれずに済み、またある時は薬漬けにまでされて、それでも生きてのびてまた同じことを繰り返そうとしている。

無論、声援は送るが、そこまで無防備だと、その学習能力の無さに呆れてしまう。

冒頭の殺人のあたりで気になる表現がある。
その街では黒人が殺害されても新聞記事にもならない、だとか、黒人が被害者なら懸命に捜査などやってられるか、みたいな表現。

いったい、いつの話なんだろ、と思っていたら、なんと原作が書かれたのは1940年だった。

それを村上春樹氏が翻訳。
それにしては妙な表現が多々あったが、1940年代ならではのアメリカンユーモアなのか、レイモンド・チャンドラーならではの凝った表現というのか、そういうものを原作に忠実に意訳をせずに訳したということなんだろうか。



完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯 フランク ブレイディー (著), Frank Brady (原著), 佐藤 耕士 (訳)


08/Nov.2013